読書メモ:科学的な適職(4)

脳のバグを取り除く4つの方法

  1. 10/10/10テスト
  2. プレモータム
  3. イリイスト転職ノート
  4. 友人に頼る

バグ

  • 人の意思決定力にはバグ(=バイアス)がある
  • データ分析よりも意思決定手順の方が6倍重要
  • 全てのひとがハマるが、みんな「自分だけは大丈夫」と解答する
  • ハマっていることにすら気づけない

確証バイアス

  • 一度思い込んだ考え方を支持する情報しか見なくなること
    • 成功例ばかり見て、失敗例を無視する

アンカリング効果

  • 選択肢の提示のされ方によって論理的に正しい選択ができなくなること
    • 最初に年収500万円の会社を見ると、それ以下では物足りなくなってしまう
    • 「お金は重要ではない」と頭では分かっていても

真実性の錯覚

  • 繰り返し見ただけで真実に違いないと錯覚してしまうこと

フォーカシング効果

  • 重視する項目を実体以上に感じてしまうこと

サンクコスト

  • いままでたくさんの時間とお金を使って来たものにこだわり過ぎてしまうこと
  • 実際にはメリットがないにも関わらず
  • 何年も続けた仕事から、容易に転職を決意するのは難しい
    • 居残ることで幸福度が下がってしまうことも

感情バイアス

  • 間違っているという確かな証拠があっても、手軽でポジティブな情報に飛びついてしまうこと
    • 「好きを仕事に!」「10年後の有望な業界はこれだ!」が気になってしまう

バグへの対処法

  • 特定の手順(=プロトコル)で全ての選択肢をチェックする
  • バグに気づいたらマトリクス分析の数値などを随時修正する
    • 過大評価していたら数値を下げたり
  • チェックは回数を重ねるほど精度が上がる

1. 10/10/10テスト

  • 「この選択をしたら10分後・10カ月後・10年後にはどう感じるか」を考える
  • 短期、中期、長期のスパンで考える
  • 苦しいときに、目先の楽な選択に逃げてしまうのを防ぐ
  • 有効性を示す研究結果はなし

「辞めたい」と思ったら

  • 10分後:「実際に辞めてしまえば、10分後はすっきりして開放感があるだろうな」
  • 10カ月後:「新しい仕事もだいぶ覚えているだろうな。新しい嫌なこともあるだろうな。」
  • 10年後:「また別の仕事をしているかもな。サラリーマンは諦めて、在宅かもな。貯金が心配だな。」

2. プレモータム

  • 失敗するものとして意思決定すること
  • 予測精度が30%上がる(ペンシルバニア大学)

2-1. 敗北の想定

  • いまから3年後、「完全な失敗」に終わった場面をイメージ

2-2. 原因の探索

  • 「完全な失敗」の原因を書き出す
  • 普段の自分から、実際にありそうな理由をできるだけ多く書く
    • 「お金以外を見ていなかった」
    • 「嫌な人から逃げたいだけだった」
    • 「リサーチ不足だった」
    • 「目先のことしか考えていなかった」
    • 「スケジュールが甘かった」
    • 「現職の方がマシだった」

2-3. 過程の想起

  • 決定から失敗までのプロセスを2~3段階くらいの時系列で詳しくイメージする
  • 「時間がないため情報収集をあまりせず応募した」→「面接で残業のことを聞かなかった」→「残業続きで死にそう」
  • できるだけリアルに感情を感じながらイメージ

2-4. 対策の考案

  • 失敗しないための解決策を考える
  • 「面接で必ず○○を聞く」「転職活動のスケジュールを広げる」

3. イリイスト転職ノート

  • 自分がその日行った「職探しに関する意思決定」の内容を三人称で書き出す
  • 1日15分以上、2段落ぐらいの文章を書く
  • 内容:
    1. 決めたこと
    2. 決めるまでの流れ
    3. 決めるために使ったエビデンス
    4. 決めたことにより期待する結果
    5. 決定に抱いた感情

4. 友人に頼る

  • 本人よりも他人に聞いた性格判断の方が格段に正確

360°フィードバック

  • 知り合ってから1~3年の相手に聞くのがベスト。次が1年以内。次が3~5年

クローズドクエスチョン

  • 「○○への転職は賛成?」という聞き方をする

親友イメージング

  • 脳内に親友を思い浮かべて聞いてみるだけでも精度は上がる

(5)に続く