読書メモ:科学的な適職(3)

仕事の幸福度を下げる8つの要素

時間の乱れ系

  1. プライベートへの侵食
  2. シフトワーク
  3. 長時間労働
  4. 長時間通勤

職務の乱れ系

  1. 安定がない
  2. 仲間がいない
  3. 自由がない
  4. 明確さがない

解説

ポジティブな要素を増やすより、ネガティブな要素の排除に力を入れる

  • ネガティブはポジティブより6倍強く印象に残る
  • 働く環境に嫌なことが1つあると、良いことが6つないと相殺できない
  • 仕事で1度ミスすると、6回良いことをしないと埋め合わせできない

プライベートへの侵食

    • 仕事を家に持ち帰る
    • 休日に職場から電話がかかって来る
  • プライベートで仕事のことを「考えただけ」でもストレスレベルが増える
    • このストレスは運動やマッサージで軽減できない
    • このストレスは自覚できていない

シフトワーク

  • 不特定なタイミングで深夜や早朝に働くこと
  • 9時5時の人と比べ、週3回以上でシフトワークを行う人は糖尿病の発症リスクが42%上がり、コレステロールや血圧も激増
  • 年50日以上シフトワークを行う人は、脳機能のスコアが大きく低下
    • 年齢換算で6.5歳、脳が衰えたことになる

長時間労働

長時間通勤

雇用が不安定

    • 急に同僚が解雇される
    • 仕事の依頼が断続的にしかない
    • 仕事が急になくなることがある
  • フリーになると

    1. 最初はみんな気分が上がるが、長期的には心身の健康を崩す
    2. 統計や語学などの専門スキルを持つ人ほど幸福度が上がる

仲間がいない

  • 生産性が高いチームの共通点は「心理的安全」を感じられること
    • チームに対する信頼感がある状態
    • どんなにひどい失敗をしても、この仲間なら馬鹿にされないし助けてくれるだろうという安心感
  • 社内にいい友人がいない人ほど心疾患やがんにかかりやすい
  • 良い同僚や上司に恵まれない人は、そうでない人に比べて平均50%早く死亡する

    • 運動不足や喫煙より悪い
  • チェックポイント

    • 出世競争が激しすぎないか
    • 上司が部下の成果に対しフィードバックを与えるシステムはあるか
      • フィードバックを管理職の自主性だけに任せていないか
    • 産休や健康維持のための補助金など、「困ったときは会社がなんとかする」というメッセージを発しているか
    • 社内にどのような交流イベントがあるか

裁量がない

  • 幸福度を上げる要素の一つ「自由」がないのと同じ

不公平

  • 幸福度を上げる要素の一つ「明確」がないのと同じ

意思決定のツール3つ

  1. プロコン分析
  2. マトリクス分析
  3. ヒエラルキー分析

1. プロコン分析

  • pros:賛成の
  • cons:反対の
  • 各選択肢のメリットとデメリットを書き出す
  • 単純な選択に効果的

手順

  1. 悩みを記入(断定形で)
  2. プロコンを記入(メリットとデメリットを思いつく限り並べる)
  3. プロコンを採点(重要度を5点満点で採点する)
  4. 最終判断(重要度を合計して比較する)

2. マトリックス分析

  • 客観的に判断できる
  • 米軍の意思決定などにも使われる

手順

  1. 基準のリストアップ(幸福度を上げる要素、下げる要素を左に書きこむ。不要なものは削除する)
  2. 候補のリストアップ(上に仕事の候補を書き込む。業界、職種、企業名など)
  3. 重要度の記入(5点満点で記入。「とても良い」なら5点。不明なら、分かった時点で書き換える)
  4. 重みの決定(3点満点で記入。各基準について「これは大事」なら3点)
  5. 最終判断(重要度と重みを各マスごとに掛ける。候補ごとに合計し、最高点のものが最も有望)

3. ヒエラルキー分析

(4)に続く