読書メモ:人生は攻略できる(橘玲)
はじめに
マーフィーは嘘
- 人の脳は現実と仮想を区別できないので、叶ったものと思って努力しなくなるから
- 逆に効果があるのは、きちんと計画を立てること
複利効果
- 少しの選択の違いが、長期的には大きな影響に膨らむ
幸福の3資本
- お金(金融資本)
- 仕事(人的資本)
- 愛情・友情(社会資本)
考え方
- 幸福はこの土台の上に作られる
- 3つあれば最高だが、1つか2つでもいい
世界編
世界編1
- ネガティブな方が成功しやすい
- 日本人は世界で一番ネガティブ
ピークエンド効果
- 終わりよければすべてよし
- 年齢とともに選択肢は指数関数的に減る
- 20歳からの10~20年はとても重要(自分のスペシャルを見つける)
- 歳を取ってからでは、それを十数年続けてきた人に勝てない
世界編2
好きなことの見つけ方
- キャラにあった自分らしいキャラに合った生き方をする
- トライ&エラーを繰り返す
友達ができる過程
- 自分と似ている相手に引き寄せられる
キャラとは
- リーダー、参謀、道化、傍観者、新入り、熱血、お坊ちゃまなど
- 子供のころに一度形成されると、大人になっても変わらない
- 参謀キャラなのに仕事でリーダーをやらされたりすると「自分らしくない」と感じる
自分らしさとは
- 自分らしさは答えにくいけど、自分らしくないことは迷わずわかるはず
- 政治家になりたいとは間違っても思わない → リーダーキャラではない
- スピリチュアル(自分の精神)が納得する生き方
ビッグファイブ
- 5つの性格特性
- エビデンスに基づく強力な理論
- テスト:BFI-10
中核六項目
- 知性(頭がいいかどうか)
- 経験への開放性(好奇心の強さ。一人旅や海外志向)
- 堅実性(信頼できるか)
- 外向性(明るいか、暗いか)
- 同調性(共感性。暖かさ。EQ。みんなと一緒にやっていけるか)
- 安定性(高いと楽観的で幸福度が高い。低いと神経質、恐怖症、うつ病)
世界編3
好きなこと、得意なことをを仕事にする方法を見つけること
- 最重要(80歳でも100歳でも働き続けられる)
- 苦手なことはやってもできないから
- トライアンドエラー(自分らしい仕事にさっさと転職)
- 会社ではなく仕事を選ぶことが重要
- 時間は有限
- スピリチュアルが拒絶するもので妥協するな
- 好きなことより得意なことを選んだほうがうまくいく
攻略編
攻略編1. お金
お金があれば自由になれる
- 人間関係からの自由(嫌な仕事も辞められる。DV夫とも離婚できる)
- お金の心配からの自由(毎月の食費や家賃などを毎日心配しなくてもよくなる)
- 高級品が買えることなど、自由に比べれば何の価値もない
お金を手に入れる方法
- ゼロサム(取り合い。誰かが減れば誰かが増える。略奪。陣地争い)
- プラスサム(全体がプラス。交易。互いの余剰を交換して両者とも満足度向上)
- プラスサムがわからないとお金持ちにはなれない
- 株式の長期運用は原理的にプラスサム(グローバル経済の拡大で膨張)
- 短期運用はゼロサム(株式の信用取引、FX、ビットコイン)
お金持ちになる3つの方法
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 利回りを上げる
収入を増やす方法1
- 金融資本を金融市場に投資する(お金を株式などに投資)
- 人的資本を労働市場に投資する(働く)
収入を増やす方法2
- 人的資本を大きくする(自己啓発で稼げる自分になる)
- 人的資本を長く運用する(60歳から年収300万円で20年働けば6千万円になる)
- 世帯内の人的資本の数を増やす
お金持ちになる行動
- 経済合理的であること(市場経済とは経済合理的な人に富が集中するシステム)
- 1+1=2であること
- 不合理な人が多い世界では、経済合理的に行動するだけで楽に生きていける
- ゲームの鉄則を知っているかどうかの差
- その意味では日本というのはとてもいい国
会社は個人が幸せになるための道具
- 法律を守った上で使い倒せばいい
- 時代の流れで古いルールは通用しない
- 貧乏人(平社員)がお金持ち(上司)に遠慮することなどない
いくらあれば幸福か
- 年収800万円以上は不変
- 貯金1億円以上は不変
社会に出てお金で気を付けること
- 宝くじは買わない(1等は1000万枚中1枚 → 1000万分の1)
- マイカーもマイホームもいらない(住宅ローンは借金。資産の一極集中は危険でもある)
- ウマい話は全て無視(本当においしい話なら自分で買うはず。なぜ人に売る?性悪説で考える)
だまされやすいひと
- 中途半端に頭が良く、自信がある人(高収入のサラリーマンや医師)
- 自分には特別なチャンスが来て当前と思ってしまう
- 投資詐欺の世界で一番のカモ
攻略編2. 仕事
働き方の3つ
- クリエイター: 非会社員: 起業家、スポーツ選手、漫画家、ミュージシャン
- スペシャリスト: 中間: 医師、弁護士、会計士、コンサル、プログラマー
- バックオフィス: 会社員(非正規含む): 事務、マニュアル仕事
メリット・デメリット
- クリエイター: 成功するのは一握り。拡張可能
- スペシャリスト: 高時給、責任大きい。拡張不可能
- バックオフィス: 低時給、責任なし。拡張不可能(責任はマニュアル作成側の経営陣にある)
自営業
2分類
伽藍とバザール
- バザール:
- 開放空間
- ポジティブゲーム(できるだけ多くの良い評判を集めることが重要)
- 失敗を恐れず、ライバルに差をつけるようなことに挑戦して一発当てるのが最適戦略
- 悪評はリセット可能
- 競争激しい
- 伽藍:
- 閉鎖空間
- できるだけ失敗しないことが重要
- 悪評はリセット不可能
- ネガティブゲーム(これからの時代は何の役にも立たない)
ネットフリックスの人事戦略
- 全てのポストに業界最高水準の報酬で優秀な人材を雇用
- 基準に満たない社員は解雇(ポストに空きがないと優秀な社員を入れられない)
- 有給も経費も上司の承認があれば無制限に使用可能
- 会社はプロのスポーツチーム(全ての選手がそれぞれの分野で一流でなければならない)
ぬるい日本で億万長者になる
- 日本ならゲームやアプリを開発したり、シリコンバレーのイノベーションを日本風にして大手企業に売却するだけで数億円
- 日本語という非関税障壁で外国企業の参入は難しい
- 日本は失われた20年を経ても世界第3位の経済大国
- 日本で成功した中国人起業家も「シリコンバレーなら絶対に潰されてた」
- 日本の優秀な人材は今でも会社の伽藍でネガティブゲーム(競争相手少ない)
- 銀座の高級レストランや六本木のクラブに成功者がたくさんいる
ベンチャーキャピタル
- 起業したての会社に投資して、成長したら株式を上場にしたり大企業に売却して収益化する投資会社
ニッチ戦略
- 隙間市場を狙う
- 市場が小さいほどライバルが減る(大企業が相手にしない = 強力なライバルが少ない)
- 得意な場所(ニッチ)を見つけたら、そこで一番になってお客さんを独占する
- グローバルなマーケットは大きいので、ニッチでも個人が億万長者になれる
- 自分が好きなことに全力投球できる
- ニッチ市場はすぐに消えるけど、別のニッチがあるはず
- 音楽が好きならCD販売からネット配信へプラットフォームを移す
おわりに
- この時代のゆたかな日本に生まれただけですごくラッキー
- モノよりもコトの方が幸福感は長く続く(出来事、イベント。フェス、花火、旅行)
- 若い時は色んな体験をした方がいい(脳は過去の出来事を美化するので楽しい思い出になる(レジリエンス))
- 100倍の法則(加害は1/100、被害は100倍に評価するのがヒトの本性。そのほうが安全だから)
- 人から嫌なことをされても、過剰に考えすぎないこと