読書メモ:科学的な適職(4)

脳のバグを取り除く4つの方法

  1. 10/10/10テスト
  2. プレモータム
  3. イリイスト転職ノート
  4. 友人に頼る

バグ

  • 人の意思決定力にはバグ(=バイアス)がある
  • データ分析よりも意思決定手順の方が6倍重要
  • 全てのひとがハマるが、みんな「自分だけは大丈夫」と解答する
  • ハマっていることにすら気づけない

確証バイアス

  • 一度思い込んだ考え方を支持する情報しか見なくなること
    • 成功例ばかり見て、失敗例を無視する

アンカリング効果

  • 選択肢の提示のされ方によって論理的に正しい選択ができなくなること
    • 最初に年収500万円の会社を見ると、それ以下では物足りなくなってしまう
    • 「お金は重要ではない」と頭では分かっていても

真実性の錯覚

  • 繰り返し見ただけで真実に違いないと錯覚してしまうこと

フォーカシング効果

  • 重視する項目を実体以上に感じてしまうこと

サンクコスト

  • いままでたくさんの時間とお金を使って来たものにこだわり過ぎてしまうこと
  • 実際にはメリットがないにも関わらず
  • 何年も続けた仕事から、容易に転職を決意するのは難しい
    • 居残ることで幸福度が下がってしまうことも

感情バイアス

  • 間違っているという確かな証拠があっても、手軽でポジティブな情報に飛びついてしまうこと
    • 「好きを仕事に!」「10年後の有望な業界はこれだ!」が気になってしまう

バグへの対処法

  • 特定の手順(=プロトコル)で全ての選択肢をチェックする
  • バグに気づいたらマトリクス分析の数値などを随時修正する
    • 過大評価していたら数値を下げたり
  • チェックは回数を重ねるほど精度が上がる

1. 10/10/10テスト

  • 「この選択をしたら10分後・10カ月後・10年後にはどう感じるか」を考える
  • 短期、中期、長期のスパンで考える
  • 苦しいときに、目先の楽な選択に逃げてしまうのを防ぐ
  • 有効性を示す研究結果はなし

「辞めたい」と思ったら

  • 10分後:「実際に辞めてしまえば、10分後はすっきりして開放感があるだろうな」
  • 10カ月後:「新しい仕事もだいぶ覚えているだろうな。新しい嫌なこともあるだろうな。」
  • 10年後:「また別の仕事をしているかもな。サラリーマンは諦めて、在宅かもな。貯金が心配だな。」

2. プレモータム

  • 失敗するものとして意思決定すること
  • 予測精度が30%上がる(ペンシルバニア大学)

2-1. 敗北の想定

  • いまから3年後、「完全な失敗」に終わった場面をイメージ

2-2. 原因の探索

  • 「完全な失敗」の原因を書き出す
  • 普段の自分から、実際にありそうな理由をできるだけ多く書く
    • 「お金以外を見ていなかった」
    • 「嫌な人から逃げたいだけだった」
    • 「リサーチ不足だった」
    • 「目先のことしか考えていなかった」
    • 「スケジュールが甘かった」
    • 「現職の方がマシだった」

2-3. 過程の想起

  • 決定から失敗までのプロセスを2~3段階くらいの時系列で詳しくイメージする
  • 「時間がないため情報収集をあまりせず応募した」→「面接で残業のことを聞かなかった」→「残業続きで死にそう」
  • できるだけリアルに感情を感じながらイメージ

2-4. 対策の考案

  • 失敗しないための解決策を考える
  • 「面接で必ず○○を聞く」「転職活動のスケジュールを広げる」

3. イリイスト転職ノート

  • 自分がその日行った「職探しに関する意思決定」の内容を三人称で書き出す
  • 1日15分以上、2段落ぐらいの文章を書く
  • 内容:
    1. 決めたこと
    2. 決めるまでの流れ
    3. 決めるために使ったエビデンス
    4. 決めたことにより期待する結果
    5. 決定に抱いた感情

4. 友人に頼る

  • 本人よりも他人に聞いた性格判断の方が格段に正確

360°フィードバック

  • 知り合ってから1~3年の相手に聞くのがベスト。次が1年以内。次が3~5年

クローズドクエスチョン

  • 「○○への転職は賛成?」という聞き方をする

親友イメージング

  • 脳内に親友を思い浮かべて聞いてみるだけでも精度は上がる

(5)に続く

読書メモ:科学的な適職(3)

仕事の幸福度を下げる8つの要素

時間の乱れ系

  1. プライベートへの侵食
  2. シフトワーク
  3. 長時間労働
  4. 長時間通勤

職務の乱れ系

  1. 安定がない
  2. 仲間がいない
  3. 自由がない
  4. 明確さがない

解説

ポジティブな要素を増やすより、ネガティブな要素の排除に力を入れる

  • ネガティブはポジティブより6倍強く印象に残る
  • 働く環境に嫌なことが1つあると、良いことが6つないと相殺できない
  • 仕事で1度ミスすると、6回良いことをしないと埋め合わせできない

プライベートへの侵食

    • 仕事を家に持ち帰る
    • 休日に職場から電話がかかって来る
  • プライベートで仕事のことを「考えただけ」でもストレスレベルが増える
    • このストレスは運動やマッサージで軽減できない
    • このストレスは自覚できていない

シフトワーク

  • 不特定なタイミングで深夜や早朝に働くこと
  • 9時5時の人と比べ、週3回以上でシフトワークを行う人は糖尿病の発症リスクが42%上がり、コレステロールや血圧も激増
  • 年50日以上シフトワークを行う人は、脳機能のスコアが大きく低下
    • 年齢換算で6.5歳、脳が衰えたことになる

長時間労働

長時間通勤

雇用が不安定

    • 急に同僚が解雇される
    • 仕事の依頼が断続的にしかない
    • 仕事が急になくなることがある
  • フリーになると

    1. 最初はみんな気分が上がるが、長期的には心身の健康を崩す
    2. 統計や語学などの専門スキルを持つ人ほど幸福度が上がる

仲間がいない

  • 生産性が高いチームの共通点は「心理的安全」を感じられること
    • チームに対する信頼感がある状態
    • どんなにひどい失敗をしても、この仲間なら馬鹿にされないし助けてくれるだろうという安心感
  • 社内にいい友人がいない人ほど心疾患やがんにかかりやすい
  • 良い同僚や上司に恵まれない人は、そうでない人に比べて平均50%早く死亡する

    • 運動不足や喫煙より悪い
  • チェックポイント

    • 出世競争が激しすぎないか
    • 上司が部下の成果に対しフィードバックを与えるシステムはあるか
      • フィードバックを管理職の自主性だけに任せていないか
    • 産休や健康維持のための補助金など、「困ったときは会社がなんとかする」というメッセージを発しているか
    • 社内にどのような交流イベントがあるか

裁量がない

  • 幸福度を上げる要素の一つ「自由」がないのと同じ

不公平

  • 幸福度を上げる要素の一つ「明確」がないのと同じ

意思決定のツール3つ

  1. プロコン分析
  2. マトリクス分析
  3. ヒエラルキー分析

1. プロコン分析

  • pros:賛成の
  • cons:反対の
  • 各選択肢のメリットとデメリットを書き出す
  • 単純な選択に効果的

手順

  1. 悩みを記入(断定形で)
  2. プロコンを記入(メリットとデメリットを思いつく限り並べる)
  3. プロコンを採点(重要度を5点満点で採点する)
  4. 最終判断(重要度を合計して比較する)

2. マトリックス分析

  • 客観的に判断できる
  • 米軍の意思決定などにも使われる

手順

  1. 基準のリストアップ(幸福度を上げる要素、下げる要素を左に書きこむ。不要なものは削除する)
  2. 候補のリストアップ(上に仕事の候補を書き込む。業界、職種、企業名など)
  3. 重要度の記入(5点満点で記入。「とても良い」なら5点。不明なら、分かった時点で書き換える)
  4. 重みの決定(3点満点で記入。各基準について「これは大事」なら3点)
  5. 最終判断(重要度と重みを各マスごとに掛ける。候補ごとに合計し、最高点のものが最も有望)

3. ヒエラルキー分析

(4)に続く

読書メモ:科学的な適職(2)

2. 仕事の幸福度を上げる7つの要素

誰でも視野狭窄になる

  • 「この仕事が良さそうだ」と思った瞬間から視野が狭まる
  • それ以外の選択肢を冷静に比較できなくなる
  • 人は自分の視野の限界を「世界の限界」だと思い込む

仕事の幸福度を上げる要素

仕事で幸せを感じるための要素は7つ

  • 259のメタ分析などによる
  • これらの要素を満たさない仕事は幸福度は上がらない
  • これらの要素を満たす仕事は、社会的に評価が低くても幸福度が高い
  • 自分の進みたい道がある場合、それが本当に幸せに続くのかチェックできる

仕事の幸福度を決める7つの徳目

  1. 自由
  2. 達成
  3. 焦点
  4. 明確
  5. 多様
  6. 仲間
  7. 貢献

【徳目1】自由

帰宅後の庭仕事で仕事から「自由」になれる

  • 嫌な人も管理してくる上司もいない
  • 最初から最後まで自分でやることをコントロールできる
  • その責任はすべて自分が引き受け、他人は関係ない
  • 自分が自分の上司になれる
  • 作業内容を自分で決められる

仕事の幸せを最も左右するのが「自由」

  • 自由度が高いほど、仕事の満足度は上がり、離職率が下がる(台湾の研究)
  • あったらいいなレベルではなく、仕事の幸福度を上げる根本的な要素

健康にも影響する

  • タバコより体に悪い
  • 慢性病にかかりやすくなる

自由度を高めるには

  1. 少しでも自由度が高い会社を選ぶ
  2. 上司や関係者と交渉して仕事の自由度を高める

自由の例

  • 仕事時間
  • 仕事のペース
  • 仕事内容
  • 仕事場所
  • 仕事のタイミング
  • 仕事の進め方(順番)

男女差

  • 女性は「仕事場所」「仕事のタイミング」の自由が効くほど幸福度が上がる
  • 男性は「仕事の進め方」「仕事のペース」の自由が効くほど幸福度が上がる
    • 女性は在宅勤務やフレックスタイム

【徳目2】達成

物事が前に進んでいることを感じられること

  • 人のモチベーションが最も高まるのは、少しでも仕事が前に進んでいることを感じられたとき
  • 小さくても達成感が得られればいい
  • 錯覚でも有効

達成の例

  • 書類作成に必要なデータが見つかった
  • バグが解消された
  • 仕事が褒められた

仕事選びにおけるチェックポイント

  • 仕事のフィードバックは即座に得られるか
  • 仕事の成果とフィードバックが切り離されていないか

【徳目3】焦点

適職探しに唯一有効な性格テスト

  • 「制御焦点」
  • 攻撃型か防御型か
  • 自分の焦点タイプに合った働き方をすると能力を発揮しやすく、仕事の満足度も上がる
  • 先天的なもの

2つのタイプ

1. 攻撃型

・どうしたら自分の目標や希望をかなえられるか、よく想像する ・将来自分が成し遂げたい目標が叶った状況をよく想像する ・進歩や成長を実感しやすい仕事向き ・コンサルタント、アーティスト、テクノロジー系、ソーシャルメディア系、コピーライターなど

2. 防御型

・どうしたら失敗を防げるか、よく考える ・将来自分に起こる悪い状況をよく想像する ・安心感と安定感を実感しやすい仕事向き ・事務員、技術者経理係、データアナリスト、弁護士など

【徳目4】明確

賃金が不公平な会社は死亡率や精神病の発症率が高い

タスクの不明確さは慢性疲労、頭痛、消化器系疾患と相関がある(南フロリダ大学

  • 仕事で何を求められているかが不明
  • 上からの指示が一貫しない
  • 複数の上司に違うことを言われる
  • 作業手順が不明
  • 期限が不明
  • 会社の価値観が不明
  • 会社のビジョンが不明
  • いまの作業がプロジェクトのどの位置にあるか不明
  • どこに責任を持てばいいのか不明
  • 会社での自分の役割が不明

チェックポイント

  • 会社に明確なビジョンがあるか
    • そのビジョンを実現するために、どんなシステム化をしているか
  • 人事評価はどのようにされているか
    • 個人の貢献と失敗を目に見える形で判断できる仕組みは整っているか

【徳目5】多様

特定の業務だけ、は幸福度を下げる

  • 人間は慣れる生き物
  • 慣れてしまうと退屈になる
  • 「快楽のウォーキングマシン」

    対策は「多様」

  • 日常の仕事で変化を感じられること
    • 自分の様々なスキルや能力を生かせること
    • 業務内容がバラエティに富むこと

      様々なスキルを活かせることと仕事の満足度の相関係数は0.45(相関がある)(テキサス大学

  • 自由のもたらす満足度に近い

    チェックポイント

  • プロジェクトの川上から川下まで関与できるか
    • 企画から設計、製造、販売まで

【徳目6】仲間

  • 職場に3人以上の友達がいる人は満足度が96%高い
    • 給料への満足度は2倍
  • 職場に最高の友人がいる人は仕事のモチベーションが7倍
    • 仕事のスピードも上がる
  • 人間関係が悪い職場では健康度が大きく下がる
    • 例:
      • 上司が嫌いな場合、好きな場合と比べて心臓発作や脳卒中で死ぬリスクが60%高まる
      • 嫌な同僚のせいで悪化したストレスは、会社を辞めても健康なレベルに戻るまで22カ月かかる
      • 人間関係が悪い会社では、高血圧や高コレステロール、糖尿病になる確率が20%増える
    • 人間関係の悪化が健康に及ぼす悪影響は、長時間労働や福利厚生の不足による悪影響を上回る
    • 健康度の悪化は幸福度を大きく下げる
    • 人間関係だけで会社を選んでもいいぐらいのレベル

チェックポイント

  • その会社には自分に似たひとがどれぐらいいるか(類似性効果)
    • 考え方や性格などの内面や、服装などの外面、出身地、生育環境、文化的な背景など
  • その会社には自分が普段よく話す友達に似たひとがどれぐらいいるか
  • その会社の人と友達になれそうか
  • その会社の人と仲良くやっていけそうか
  • その会社の人を好きになれそうか

【徳目7】貢献

満足度が高い職種トップ5(アメリカの調査)(シカゴ大学

  1. 聖職者
  2. 理学療法士
  3. 消防員
  4. 教育関係者
  5. 画家・彫刻家

満足度が高い職種の共通点(トム・W・スミス)

  1. 他人を気遣う
  2. 他人に教える
  3. 他人を人生を守る

満足度が低い職種

満足度が低い仕事は他人への貢献を実感しにくい

  • 「タスク重要性」が低い
  • 「その仕事がどれぐらい他人の生活に影響を与えられるか」

「ヘルパーズハイ」を感じられる職種は幸福度が高い

  • ボランティアをする人ほどうつ病の発症率が低い
  • 他人への小さな親切を1日5回ずつ6週間続けると幸福度が大きく上がる
    • 人に親切にすると幸福度が上がる

他人に親切にすると3つの欲求が満たされる

  1. 自尊心:自分は役に立てているという感覚
  2. 親密感:孤独感の解消
  3. 自律性:自分の判断で行動したという実感

他人の役立つことをするとドーパミンが分泌される

  • やる気ホルモン
  • 違法ドラッグの効果と同じ
  • 実際には役に立っていなくても、役に立てている実感が感じられればいい
    • エンドユーザーと直接接する仕事が有利

視野を広げる作業(4ステップ)

1. イニシャルリストを作る

  • 仕事を今後どうしていきたいのか、選択肢を片っ端から書き出す
  • 将来の仕事をどのように変えていきたいのか
  • 何でもいいので思いつくまま

    • とにかく辞める
    • 営業に転職
    • A社の販売に転職
    • 今のクライアント向けに独立する
    • 辞めずに副業する

2. 徳目アテンション

手順

  1. 7つの徳目から気になるものを1つ選ぶ
  2. その部分の解説を読み直し、どのようなものだったか復習する
  3. 転職サイトであえて検索せずに、片っ端からながめてみる
  4. 気になったものをイニシャルリストに追記する

目的

  • 「この徳目について考えよう」と脳にフックを与える
  • その状態で何かを見ると、自然とそこに注意が行くようになる
    • 「選択的集中」

応用

  • 「今日は自由について考えよう」と決めて街を歩く

まだ方向性もわからないとき

  • 「職種一覧」のようなページを見て考える
    • 「営業の方が自分の『攻撃型』を活かせるかな」
    • 「販売もありだな」
    • 「残業時間の少なさで考えるのもいいな」
    • 少しでも気になったらリストに追記する

3. 徳目クエスチョン

  • 各徳目について、自分にクエスチョンしてみる
  • 思いついたものは何でもイニシャルリストに追記する
  • 全てが叶わなくてもいい
  • 視野を広げるのが最大の目的

手順

  1. 自由:仕事をする時間、場所、ペースを自分で決められそうな仕事や職種は他にないか?
  2. 達成:仕事のフィードバックをハッキリ確認できそうな仕事や職種は他にないか?
  3. 焦点:自分のタイプを行かせる仕事や職種は他にないか?
  4. 明確:タスクの内容と評価システムがもっとはっきりした仕事や職種は?
  5. 多様:プロジェクトの川上から川下まで全工程に関われそうな仕事や職種は?
  6. 仲間:自分に似た人や仲良くなれそうな人が多そうな仕事や職種は?
  7. 貢献:他人への貢献がより目に見えやすい、またはより多くの人の役に立てそうな仕事や職種は?

4. 8つの質問でブロックを外す

  1. 今のイニシャルリストの選択肢をどれも選べないとしたら、他にどんな可能性があり得るか
  2. もしありあまるお金を持っていたら、イニシャルリストの選択肢を選ぶだろうか
  3. もし何の不安も心配事もないとしたら、他にどんな可能性があり得るか
  4. 今までの努力(お金や時間)がすべてムダだったとしたら、他にどんな選択肢があるか
  5. このイニシャルリストが友人のものだったら、どんなアドバイスが頭に浮かぶか
  6. イニシャルリストの選択肢を選ぶことで、人生でできなくなってしまうことはないか(友人と遊ぶ時間が減るや、特定スキルが伸ばせなくなるなど)
  7. 自分が尊敬する人は、イニシャルリストにどんな助言をしてくれるだろうか(死んだ人でも架空のキャラでも)
  8. 自分のコネクション(過去の仕事や友人など)を通じて、また別の選択肢が考えられないか

7つの徳目に当てはまらなくてもいい

  • 「やっぱりお金が欲しい」「仕事は割り切って、趣味から幸せを得る」「なぜかこの会社が気になる」とか
  • 仕事から得る幸福が減るとしても、視野狭窄よりはマシ
  • あらゆる可能性を書き出す
  • 楽しみながら視野を広げる

(3)へ続く

読書メモ:科学的な適職(1)

序章

100歳近い老人が後悔していることの第一位は「仕事」

  • 「仕事ばかりの人生だった」
  • 「もっと早く辞めればよかった」

仕事選びはもっとよく考えるべき 

  • 転職失敗の原因の7割は「視野狭窄
  • 転職で失敗した人達には共通点がある

    1. リサーチ不足
      • 面接で大切なことを聞いていない
    2. お金に釣られる
      • お金しか見えていない
    3. 「逃げ」の転職
      • 不満により逃避を繰り返し、収入が下がる
    4. 自信過剰や自信不足
      • 会社が悪いと決めつける
      • よりよい可能性から自分を遠ざける

職業選択の5ステップ「AWAKE」

  1. 幻想から覚める
  2. 未来を広げる
  3. 悪を取り除く
  4. 歪みに気づく
  5. やりがいを再構築する

1. 幻想から覚める

仕事の幸福度と無関係な7つの要素

  1. 好きを仕事にする
  2. 給料の多さで選ぶ
  3. 業界や職種で選ぶ
  4. 仕事の楽さで選ぶ
  5. 性格テストで選ぶ
  6. 直感で選ぶ
  7. 適性に合った仕事を求める

1-1. 好きを仕事にするのは間違い

短期的には「好き」のグループの幸福度は高い

  • 1~5年のスパンでみると幸福度・年収・キャリアなどのレベルが逆転
  • どの仕事にも「好きになれない側面」がある
  • 人間関係や雑用、残業など

好きで選んだ人ほど落胆して辞めやすい

  • 「仕事は仕事」と割り切る人ほど期待がない分、トラブルに強い
  • 割り切り派は継続するため、スキルが向上する
  • 好きを仕事にするほど長続きしない
    • オックスフォード大学の研究
    • スキルレベルと仕事の継続率が最も高かったのは「割り切り派」

仕事への情熱は自分が注いだリソースの量に比例する

  • どこかにある「天職」を見つければうまくいくのではない(ロイファナ大学)
    • はじめからそれに対する情熱が多いわけではない
    • やればやるほど情熱の量が増え、楽しくなってくる
    • 結果として「天職」と思えるようになる
  • 自分の仕事を天職だと感じている人たちの共通点:
    • はじめから「これ」とは決めていなかった(ジョージタウン大学)
    • 仕事の種類や内容は関係なく、どんなことでも天職になり得る
  • 情熱は自分の中に眠っているものではない
    • 情熱は自ら生み出すもの(イェールNUS大学)
    • 情熱はやっているうちに生まれ、大きくなっていく
    • 心理学で「グロウス・パッション」
    • こう考える人ほど長続きしやすい

1-2. 給料の多さで選ぶのは間違い

給料の多さは幸福度や仕事の満足度とほぼ関係ない

  • 給料と仕事の満足度は「r=0.15」の相関係数しかない(フロリダ大学
    • rは0~1の範囲
    • r=1に近いほど関係が強い
    • r=0.5以上で「関係がある」
    • r=0.15は「ほぼ関係がない」
  • 結婚や体調改善の方がはるかに幸福度が上がる
    • 年収アップよりそちらにリソースを割いた方がはるかに効率的
  • 年収400~500万からの幸福度アップは費用対効果が悪い
    • 「年収800万で幸福度は横ばいになる」と言われている
    • 800万円はあくまで最大値付近の話で、実際にはもっと下で伸びなくなる
    • 年収400~430万円を超えた場合、そこから年収が倍になっても幸福度は5%しか上がらない
      • だったら400万でよさそう
      • 800万円めざしてあくせく働くより、健康や家族を優先するのもあり
    • 日本人の年収は350~360万円が中央値

お金を持つほど限界効用が下がる

  • 増えるほどメリットは減る
  • 給料アップによる幸福度アップは平均1年しか続かない
    • その後は急降下し、3年でほぼ元通り

お金による幸福は相対的に決まる

  • 他人との比較で幸福度は変わる
  • 「ランク所得説」

1-3. 業界や職種で選ぶのは間違い

「伸びる業界」の予測は当たらない

  • 過去に専門家が3~5年後を未来予測してきた結果を調査(ペンシルバニア大学)
  • 未来予測が当たる確率はコイントスと同じだった
    • 3年後ですら全然当たらない
    • 「10年後の仕事はこうなる!」など(笑)

人の興味の変化も未来予測できない

  • 18~64歳のほぼ全ての人が、10年の間に自分に起こる変化を過小評価していた(ハーバード大学
  • 18歳のころ「喫茶店をやりたい」と思っても、28歳では予想以上に気が変わっている
  • 28歳で「マーケティング」をやりたいと思っても、38歳では何に興味を持っているか
  • 「いま興味のある職種」に就くのは全く当てにならない
  • 子供のころの夢を追い続けているのは少数派
  • 周りの状況も、自分の心境も、いまは想像できないぐらい変化する
  • 「歴史の終わり幻想」:
    • 人は現在の価値観を最も優れていると思いこむ
    • 過去に起きたレベルの変化が未来にも起きる可能性を認められない

1-4. 仕事の楽さで選ぶのは間違い

楽な仕事は死亡率を2倍に高める

  • 仕事のストレスが大きい人は脳卒中心筋梗塞のリスクが高い
  • 楽すぎる仕事も幸福度を大きく下げる
  • 組織内での地位が高い人ほど健康で幸福度が高い
    • 裁量が増え、難しい仕事の期限を延ばしたり、負荷の量を調整したり、仕事内容を選んだり、嫌な人を避けたりしやすい
    • 地位が低いほどこれらが調整できない
    • 地位が上がることのメリットは給料より裁量の向上

適度なストレスがもたらすメリット3つ

  1. 仕事の満足度を高める
  2. 会社へのコミットメントを改善する
  3. 離職率を低下させる

自分のスキルよりほんの少し難しい仕事が良い

  • やる気が出る

良いストレスとは

  • 数分から数時間で終わる
  • やる気、集中力、思考力、記憶力を高める
  • 脳の可塑性を高め、認知機能を改善
  • 免疫システムを改善し健康増進
  • 高血圧、心臓病、脳卒中の予防

1-5. 性格テストで選ぶ

性格診断は効果がない

  • エニアグラム、RIASEC、マイヤーズ・ブリッグス(MBTI)
  • 有効性を示す研究結果がない

1-6. 直感で選ぶ

仕事選びに直感は使えない

  • 使えるのは3つの条件を満たすチェスなど

    直感より論理の方が有効

  • 意思決定スタイルの違いと結果を調査(ボーリング・グリーン州大学)
  • 論理的に意思決定する人の方が人生の満足度が高く、日常のストレスも低い

1-7. 適性に合った仕事を求めるのも間違い

インターンも前職の経験も無意味

  • 実際の仕事では社風や人間関係など、変数が多すぎる

    「強み」も弱い

  • ストレングスファインダーもギャラップ社独自の調査
  • 正式な査読の手続きを取っていない
  • 強みと仕事の満足度の相関はとても小さい
  • その組織に自分と同じ強みを持った同僚が少ない場合、仕事の満足度が上がる
  • 仕事が決まった後に、強みを生かすように意識しながら働くことは仕事の満足度を上げる
  • 強みをもとに仕事を選ぶのは推奨しない(セリグマン)

(2)へ続く

Q. 攻撃的な人がいて困っています。

A. 相手にとって「攻撃しにくい相手」になりましょう。

 

【解説】

世の中、どこにでも攻撃的な人はいるものです。

 

関わりを断つのが一番ですが、家族や仕事上の関係者など、簡単に関係を断つことができない場合があります。

 

攻撃的な人には一つの共通点があります。

 

それは、毎回「自分より弱そうな人を選んで攻撃を仕掛ける」ということです。

 

自分より明らかに強い相手や、攻撃することで今後自分が困るような相手に対しては、攻撃をしかけることはありません。

 

例えば、以下のような相手には攻撃を仕掛けません。

  • 自分が所属している会社の社長
  • 大切な取引先の人間
  • 自分より体が大きく屈強そうな相手
  • 手痛い反撃をされる相手
  • 強面の相手
  • ヤクザ
  • 警察官

 

彼らは毎回、「攻撃しても自分が困らない相手」や、「攻撃することで相手の反応が面白い相手」に対してのみ、攻撃をしかけます。

 

攻撃しているところを第三者に見られないように、誰もいないところを見計らって攻撃することもあるでしょう。

 

そのため対処法としては、相手にとって「攻撃しにくい相手になる」ことが挙げられます。

 

具体的には

  1. 社長や上司や同僚などに、攻撃を受けたことを話す
  2. 反撃する

などが挙げられます。

 

1. は攻撃されたことを周囲の人間に積極的に話すことで、攻撃する人間にとって「攻撃しにくい相手」になれる可能性があります。

 

社長や上司に伝えることで、直接本人に注意が行き、攻撃がなくなるということはあまり期待できませんが、大切なことは「この人に攻撃すると、周りのみんなにそれが伝わってしまう」と思わせることで、それが抑止力になります。

 

また同僚に話すことで、相手も同じような攻撃を受けたことがあるなど、参考になる話がきける場合もあるでしょう。「あの人は難しい」「私もそう思っていた」など、周りに同様の悩みを持っている人がいると知るだけでも、気分が楽になります。

 

職場などで「共通の敵」を作ることで、内輪の結束力が強まるというメリットもあります。

 

2. の「反撃する」という方法もあります。

「攻撃すると嫌なことを言い返される相手」には、攻撃をしたくなくなるでしょう。

 

ただし、多くの場合、自分が口下手であったり、相手が明らかに口達者であるため言い負かされることになります。議論になれば勝ち目はないでしょう。

 

短い言葉で「イヤです!」とだけ言えれば、それだけで自分の気持ちはラクになるものです。

 

ポイントは、

  • 短い言葉で
  • 強い語気で
  • 大きな声で
  • 周りに聞こえるように
  • 「イヤです!」「ムリです!」「困ります!」など
  • 「え!?」「は!?」だけでも
  • いかにも不機嫌そうに
  • いかにも嫌そうな顔で
  • 言い切り形で

 

可能であれば「怒鳴る」ことも効果があるでしょう。野生動物が「吠える」ことで相手を威嚇し、自分を強そうに見せるのと似ています。

 

多くの場合、攻撃する人がターゲットにするのは「弱そうな人」「穏やかそうな人」「大人しそうな人」「声が小さい人」であるため、これと逆の行動を意図的に取ることに意味があります。

 

不機嫌そうな表情やしぐさを「あえて作る」ことも、非言語コミュニケーションとして不快であることを相手に伝えられるため、攻撃の抑制に効果的です。

 

言ったことでその後に相手の対応が変わらなかったとしても、「嫌だということを相手に伝えられた」というだけで、驚くほど自分の気持ちは楽になるものです。

 

また周りの人に「あの人は嫌がってるな」と伝えられることも大きいでしょう。周りの理解や協力を得やすくなるでしょう。

 

攻撃する人に「おっ、この人はちょっと厄介だな」「攻撃すると騒ぐからまずいな」「色々と面倒だな」と思わせることができればしめたものです。その後、攻撃の回数が減る可能性もあります。

 

最も大切なことは「自分の気持ちがラクになること」なので、短い言葉や表情で不快な思いを表現することは非常に効果的です。

 

世の中には色々な人がいて、対応を避けられない場面も多々あります。

 

ただ、その度に仕事を辞めたりしてしまうと、職歴に傷がついたり金銭的に困窮したりしてしまい、困るのはこちら側です。

 

相手にとって「攻撃しにくい相手」になる方法を知り、少しずつ実際に使っていき、はじめはうまくいかなくても、徐々に身に着けていくことが大切です。

 

1日1回ずつでも使っていけば、1年で300回以上使えます。

少しずつ慣れていきましょう。

 

あまりにも度を超えておかしな人がいる場合は、転職など、関係を断つことも視野に入れ、あくまでも「自分の幸せ」を優先していきましょう。

 

読書メモ:人生は攻略できる(橘玲)

はじめに

マーフィーは嘘

  • 人の脳は現実と仮想を区別できないので、叶ったものと思って努力しなくなるから
  • 逆に効果があるのは、きちんと計画を立てること

複利効果

  • 少しの選択の違いが、長期的には大きな影響に膨らむ

幸福の3資本

  • お金(金融資本)
  • 仕事(人的資本)
  • 愛情・友情(社会資本)

考え方

  • 幸福はこの土台の上に作られる
  • 3つあれば最高だが、1つか2つでもいい

世界編

世界編1

  • ネガティブな方が成功しやすい
  • 日本人は世界で一番ネガティブ

ピークエンド効果

  • 終わりよければすべてよし
  • 年齢とともに選択肢は指数関数的に減る
  • 20歳からの10~20年はとても重要(自分のスペシャルを見つける)
  • 歳を取ってからでは、それを十数年続けてきた人に勝てない

世界編2

好きなことの見つけ方

  1. キャラにあった自分らしいキャラに合った生き方をする
  2. トライ&エラーを繰り返す

友達ができる過程

  • 自分と似ている相手に引き寄せられる

キャラとは

  • リーダー、参謀、道化、傍観者、新入り、熱血、お坊ちゃまなど
  • 子供のころに一度形成されると、大人になっても変わらない
  • 参謀キャラなのに仕事でリーダーをやらされたりすると「自分らしくない」と感じる

自分らしさとは

  • 自分らしさは答えにくいけど、自分らしくないことは迷わずわかるはず
    • 政治家になりたいとは間違っても思わない → リーダーキャラではない
  • スピリチュアル(自分の精神)が納得する生き方

ビッグファイブ

  • 5つの性格特性
  • エビデンスに基づく強力な理論
  • テスト:BFI-10

中核六項目

  • 知性(頭がいいかどうか)
  • 経験への開放性(好奇心の強さ。一人旅や海外志向)
  • 堅実性(信頼できるか)
  • 外向性(明るいか、暗いか)
  • 同調性(共感性。暖かさ。EQ。みんなと一緒にやっていけるか)
  • 安定性(高いと楽観的で幸福度が高い。低いと神経質、恐怖症、うつ病

世界編3

好きなこと、得意なことをを仕事にする方法を見つけること

  • 最重要(80歳でも100歳でも働き続けられる)
  • 苦手なことはやってもできないから
  • トライアンドエラー(自分らしい仕事にさっさと転職)
  • 会社ではなく仕事を選ぶことが重要
  • 時間は有限
  • スピリチュアルが拒絶するもので妥協するな
  • 好きなことより得意なことを選んだほうがうまくいく

攻略編

攻略編1. お金

お金があれば自由になれる

  • 人間関係からの自由(嫌な仕事も辞められる。DV夫とも離婚できる)
  • お金の心配からの自由(毎月の食費や家賃などを毎日心配しなくてもよくなる)
  • 高級品が買えることなど、自由に比べれば何の価値もない

お金を手に入れる方法

  • ゼロサム(取り合い。誰かが減れば誰かが増える。略奪。陣地争い)
  • プラスサム(全体がプラス。交易。互いの余剰を交換して両者とも満足度向上)
  • プラスサムがわからないとお金持ちにはなれない
  • 株式の長期運用は原理的にプラスサム(グローバル経済の拡大で膨張)
  • 短期運用はゼロサム(株式の信用取引、FX、ビットコイン

お金持ちになる3つの方法

  • 収入を増やす
  • 支出を減らす
  • 利回りを上げる

収入を増やす方法1

  • 金融資本を金融市場に投資する(お金を株式などに投資)
  • 人的資本を労働市場に投資する(働く)

収入を増やす方法2

  • 人的資本を大きくする(自己啓発で稼げる自分になる)
  • 人的資本を長く運用する(60歳から年収300万円で20年働けば6千万円になる)
  • 世帯内の人的資本の数を増やす

お金持ちになる行動

  • 経済合理的であること(市場経済とは経済合理的な人に富が集中するシステム)
    • 1+1=2であること
    • 不合理な人が多い世界では、経済合理的に行動するだけで楽に生きていける
      • ゲームの鉄則を知っているかどうかの差
      • その意味では日本というのはとてもいい国

会社は個人が幸せになるための道具

  • 法律を守った上で使い倒せばいい
  • 時代の流れで古いルールは通用しない
  • 貧乏人(平社員)がお金持ち(上司)に遠慮することなどない

いくらあれば幸福か

  • 年収800万円以上は不変
  • 貯金1億円以上は不変

社会に出てお金で気を付けること

  • 宝くじは買わない(1等は1000万枚中1枚 → 1000万分の1)
  • イカーもマイホームもいらない(住宅ローンは借金。資産の一極集中は危険でもある)
  • ウマい話は全て無視(本当においしい話なら自分で買うはず。なぜ人に売る?性悪説で考える)

だまされやすいひと

  • 中途半端に頭が良く、自信がある人(高収入のサラリーマンや医師)
    • 自分には特別なチャンスが来て当前と思ってしまう
    • 投資詐欺の世界で一番のカモ

攻略編2. 仕事

働き方の3つ

  • クリエイター: 非会社員: 起業家、スポーツ選手、漫画家、ミュージシャン
  • スペシャリスト: 中間: 医師、弁護士、会計士、コンサル、プログラマー
  • バックオフィス: 会社員(非正規含む): 事務、マニュアル仕事

メリット・デメリット

  • クリエイター: 成功するのは一握り。拡張可能
  • スペシャリスト: 高時給、責任大きい。拡張不可能
  • バックオフィス: 低時給、責任なし。拡張不可能(責任はマニュアル作成側の経営陣にある)

自営業

2分類

伽藍とバザール

  • バザール: 
    • 開放空間
    • ポジティブゲーム(できるだけ多くの良い評判を集めることが重要)
    • 失敗を恐れず、ライバルに差をつけるようなことに挑戦して一発当てるのが最適戦略
    • 悪評はリセット可能
    • 競争激しい
  • 伽藍: 
    • 閉鎖空間
    • できるだけ失敗しないことが重要
    • 悪評はリセット不可能
    • ネガティブゲーム(これからの時代は何の役にも立たない)

ネットフリックスの人事戦略

  • 全てのポストに業界最高水準の報酬で優秀な人材を雇用
  • 基準に満たない社員は解雇(ポストに空きがないと優秀な社員を入れられない)
  • 有給も経費も上司の承認があれば無制限に使用可能
  • 会社はプロのスポーツチーム(全ての選手がそれぞれの分野で一流でなければならない)

ぬるい日本で億万長者になる

  • 日本ならゲームやアプリを開発したり、シリコンバレーイノベーションを日本風にして大手企業に売却するだけで数億円
  • 日本語という非関税障壁で外国企業の参入は難しい
  • 日本は失われた20年を経ても世界第3位の経済大国
  • 日本で成功した中国人起業家も「シリコンバレーなら絶対に潰されてた」
  • 日本の優秀な人材は今でも会社の伽藍でネガティブゲーム(競争相手少ない)
  • 銀座の高級レストランや六本木のクラブに成功者がたくさんいる

ベンチャーキャピタル

  • 起業したての会社に投資して、成長したら株式を上場にしたり大企業に売却して収益化する投資会社

ニッチ戦略

  • 隙間市場を狙う
  • 市場が小さいほどライバルが減る(大企業が相手にしない = 強力なライバルが少ない)
  • 得意な場所(ニッチ)を見つけたら、そこで一番になってお客さんを独占する
  • グローバルなマーケットは大きいので、ニッチでも個人が億万長者になれる
  • 自分が好きなことに全力投球できる
  • ニッチ市場はすぐに消えるけど、別のニッチがあるはず
    • 音楽が好きならCD販売からネット配信へプラットフォームを移す

おわりに

  • この時代のゆたかな日本に生まれただけですごくラッキー
  • モノよりもコトの方が幸福感は長く続く(出来事、イベント。フェス、花火、旅行)
    • 若い時は色んな体験をした方がいい(脳は過去の出来事を美化するので楽しい思い出になる(レジリエンス))
  • 100倍の法則(加害は1/100、被害は100倍に評価するのがヒトの本性。そのほうが安全だから)
    • 人から嫌なことをされても、過剰に考えすぎないこと

Q. 働きたくありません。どうすればいいですか?

A. 1000万円を貯めましょう。

 

【解説】

今の世の中、人はお金が無いと生きていけません。

 

家賃、光熱費、食費、携帯代など、ただ生きているだけで、何もしなくても毎月数万円の生活費が必要となります。

 

お金を手に入れるためには様々な方法があります。

 

 ①働く(サラリーマン、自営業、アルバイトなど)

 ②人を働かせてお金をもらう(専業主婦(主夫)、親のすねかじり、愛人、ヒモなど)

 ③投資する(株式等の売買による利益や配当収入を得るなど)

 

①は普通に就職して毎月お給料をもらう方法です。

起業したり家業を継ぐなど、自営業で働く場合もあるでしょう。

 

②は人を働かせてピンハネする方法ですが、相手に嫌われて関係が途絶えてしまったり、自分の良心が咎めるため、継続してお金をもらい続けるには「相手に好かれる才能」や「鈍感さ」など、生まれ持った特殊な才能が必要となります。

 

③の投資については、まず株式やビットコインなど、値動きの激しいものの売買で利益を出すには、これまた特殊な才能と運が必要です。

 

「大きく上がるものは大きく下がる」のが常であり、普通の人が安易に手を出せばまずカモにされるだけなのでおすすめはできません。

 

また株式の配当収入でそれなりの利益を上げるためには、年間数パーセントという利幅の性質上、少なくとも数百万~一千万円程度の種銭が必要となるため、まずはその元手を稼ぐところから始めなければいけません。

 

やはり、①の普通に働く方法に落ち着くことが多いのではないでしょうか。

 

ここでは普通に働く場合を考えます。

しかし、いつまでも働くのは辛いので、まとまった金額を貯めてリタイアするとします。

 

さて、一体いくら貯めればよいのでしょうか。

 

最低限の生活費として、月に10万円必要と仮定すると、1年に120万円必要です。

計算を簡単にするために1年に100万円とすれば、

10年で1千万円、

20年で2千万円、

30年で3千万円。

 

現在30歳の人は、80歳までの生活費を賄うとして、5千万円が必要となります。

 

ここで、あまりに大きな数字だと貯金を始める前から心が折れてしまうので、もう少し狙えそうな目標貯金額に落としてみます。

 

まず、年金で生活が賄えるものとすれば、65歳まで生活できればいいので3500万円で可能です。

 

次に、実際に大きな金額を貯めるには何年もかかるので、リタイア開始は40歳とすれば、40歳から65歳までの25年間×100万円の支出なので、合計2500万円でOKです。

 

また、完全にリタイアしてしまうと社会との接点がなくなり精神衛生上良くないことや、外に出ることが減って運動不足になってしまうことから、完全リタイアではなく時短勤務で細々と働く「セミリタイア」を目標とします。

 

時短勤務は正社員に比べて給料は下がりますが労働日数や労働時間が少なく、正社員よりもノルマや責任が小さいため、精神的負担が軽いというメリットがあります。

 

仮に週3日、時給900円で1日5時間の時短勤務をした場合、

900円 x 5時間 x 3日 x 4週 = 54000円の収入が毎月入ることになります。

 

つまり、毎月10万円ではなく5万円あれば足りるため、

セミリタイア前に必要な貯金額は2500万円から1250万円まで下げることができるのです。

 

色々考えてきましたが、ひとまずセミリタイア資金を「1000万円」に設定しましょう。

 

普通のサラリーマンが毎月の給料をコツコツ貯金して1000万円という大金を貯めるには資金管理能力を磨かなければならず、逆に言えば1000万円を達成できた人ならば、1250万円を達成するのも時間の問題といえるでしょう。

 

あとは毎年の貯金イメージですが、現在30歳の人が40歳でセミリタイアする場合、1年で100万円貯金すれば10年で達成できます。

 

「定年まで働かなきゃいけない…」ではなく「あと10年でセミリタイアだ!」と考えれば、少しは気が楽になるのではないでしょうか?

 

結局、魔法のように「一発当てて遊んで暮らせる方法」なんて現実にはありません。

 

宝くじを買って数百万分の一の確率に賭けるのも、現実的ではありません。

 

毎月の固定費の見直しから始めて支出を減らし、資金管理することで、何年もかけてコツコツ貯金を増やし、堅実にセミリタイアを目指しましょう。

 

参考:

・宝くじの当選確率

 https://camatome.com/2013/06/takarakuji-1tou-tousenkakuritsu.php